ロイヤルアルバートの真贋判定において最も重要なのがバックスタンプの確認です。本物のロイヤルアルバートには、「Royal Albert」のブランド名と王冠のロゴがしっかりと印字されています。
バックスタンプの確認ポイント。
年代によってバックスタンプのデザインは変化しており、特に1850年以降は「Royal」という文字が明記されるようになりました。また、1891年以降のアメリカ向け輸出品には「England」の国名表示が義務付けられ、1920年前後以降は「Made in England」と記されています。
偽物のバックスタンプは印字が粗く、フォントやロゴの形に微妙な違いがあることが特徴です。プリント技術で作られた偽物は、手作業による本物の刻印とは明らかに質感が異なります。
ロイヤルアルバートの本物はすべてボーンチャイナ製で作られており、この素材の特性を理解することが偽物との見分けに重要です。
ボーンチャイナの特徴。
本物のロイヤルアルバートは、ボーンチャイナ特有の透けるような質感を持っています。カップを光にかざすと、薄い部分から光が透けて見える美しい透明感が現れます。一方、偽物は一般的な陶器製で作られているため、この透明感は見られません。
また、ボーンチャイナは牛骨灰が原料に含まれているため、独特の温かみのある白色を呈します。偽物の陶器は冷たい印象の白色であることが多く、この色味の違いも判別ポイントになります。
厚みの均一性も重要な要素です。本物は職人技により均一な厚さに仕上げられていますが、偽物は厚みにばらつきがあったり、不自然に厚い部分があったりします。
ロイヤルアルバートのバックスタンプは時代とともに変化しており、これらの変化を理解することで製造年代の推定と真贋判定が可能です。
年代別の刻印変化。
1896年~1900年代初期。
1900年~1920年頃。
1920年~1950年頃。
1950年以降。
初期の手描きマークは、1800年代以前に作られた可能性が高く、現在では非常に希少価値の高いアンティーク品として扱われています。また、青色以外の色で印刷されているマークは1850年以降の製品であることを示しています。
登録番号「Rd No.」が記載されている製品は、1884年から1900年の間は1~351,600番、それ以降は351,600番を超える番号が使用されました。これらの情報を総合することで、おおよその製造年代を特定できます。
ロイヤルアルバートの偽物は特定の販売ルートで流通しやすく、購入場所の選択が真贋判定の第一歩となります。
注意すべき購入場所。
高リスクの購入場所。
安全な購入場所。
価格が極端に安い商品は偽物の可能性が高いため要注意です。特に未使用品やアンティーク品が市場価格の半額以下で販売されている場合は、慎重な検討が必要です。
フリマサイトでの購入時は、出品者の評価や取引実績を必ず確認しましょう。本物の写真を使用して偽物を販売する悪質な出品者も存在するため、複数角度からの写真や詳細な商品説明があるかチェックが重要です。
また、返品保証や真贋保証を提供している販売者を選ぶことで、万が一偽物だった場合のリスクを軽減できます。専門知識を持つ鑑定士が在籍している店舗での購入は、安心度が格段に高まります。
本物のロイヤルアルバートは、細部まで妥協のない精密なデザインが施されており、この品質の高さが偽物との決定的な違いを生み出しています。
デザイン精度の判定ポイント。
花柄の精密さ。
金彩の仕上がり。
色彩の再現性。
偽物は製造コストを抑えるため、デザインの細部が簡略化されることが多く、特に花柄のグラデーションや影の表現が不自然になります。また、プリント技術による大量生産のため、手作業による微妙なタッチの違いが失われ、機械的な印象を与えます。
カップの取っ手部分の成形も重要な判定要素です。本物は人間工学に基づいた持ちやすい形状に設計されており、表面の滑らかさや厚みの均一性が保たれています。偽物は取っ手の接合部分が雑であったり、指をかける部分の形状が不自然であったりします。
さらに、ソーサーとカップの適合性も確認ポイントです。本物はカップがソーサーにぴったりと収まり、がたつきがありません。サイズの微調整まで計算された精密な設計が、ロイヤルアルバートの品質の証明となっています。
現代では高解像度の写真技術により、オンラインでも細部まで確認することが可能です。購入前には必ず拡大画像で花柄の線の太さや金彩の輝きを確認し、疑問点があれば販売者に詳細な写真を要求することをおすすめします。