マータレーは、スリランカ中部に位置するスパイスの一大産地として知られています。キャンディとシギリヤの中間地点に位置し、コロンボからキャンディへ向かう観光ルート上にある定番の立ち寄りスポットです。この地域には複数のスパイスガーデンが集まっており、中でも「ランウェリ スパイスガーデン(No.99)」が最も有名で、多くのツアーで案内されています。
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スパイスガーデンでは、シナモン、ターメリック、ナツメグ、コリアンダー、バニラ、カカオ、ショウガ、アロエなど、日本でもポピュラーなスパイスからスリランカ固有のものまで、多種多様なハーブやスパイスが栽培されています。入場料は無料で、トイレやレストランも完備されているため、観光の休憩スポットとしても最適です。驚くほど流暢な日本語を話すスリランカ人スタッフが、各スパイスの特徴や効能を丁寧に説明してくれるのも魅力の一つです。
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スパイスガーデンでは、実際に植物を見て、触れて、香りを嗅ぐという五感をフルに使った体験ができます。ガイド付きのツアーでは、まず冷たいハーブドリンクで歓迎され、その後スパイスが生い茂る園内を散策します。シナモンの樹皮剥き実演など、スパイス加工の現場を間近で見られる貴重な機会もあります。
参考)スリランカのスパイスガーデンツアーガイド
特に注目したいのは、ターメリック(ウコン)です。大きな葉の下には鮮やかな黄金色の根茎が眠っており、ガイドが実物を見せてくれます。抗菌作用や肝機能改善などの健康効果も高く、古くから染料や漢方としても利用されてきました。スリランカが誇る世界最高品質のシナモンは、甘く上品な香りが特徴で、カレーやデザートの風味付けに幅広く活躍します。
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ツアーの後半では、アーユルヴェーダの伝統医療におけるスパイスの使用法や、現代の健康効果についても詳しく学べます。さらに、スパイスを使った化粧品、オイル、お茶などの製品展示もあり、実際に試したり購入したりすることができます。一部の施設では、頭・肩・足のいずれかのミニマッサージ体験も提供されており、アーユルヴェーダの癒し効果を実感できます。
参考)https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1865780-d16699473-Reviews-Luck_Grove_Spice_Garden-Matale_Central_Province.html
マータレーのもう一つの隠れた魅力が、日本の高級陶器ブランド「ノリタケ」のアウトレットです。スパイスガーデンから車で数分の距離にあり、観光の途中で気軽に立ち寄ることができます。ノリタケは1972年にスリランカに食器製造会社を設立し、現在では製品の約90%をこの地で生産しています。
参考)https://ameblo.jp/la-ganesh/entry-12115638390.html
アウトレットの魅力は、何と言ってもその価格です。日本では数千円する高級食器が、500円を切る価格で購入できることもあります。マグカップ、ティーカップ&ソーサー、大皿など、種類も豊富です。アウトレット品には食器の裏のNoritakeロゴのNの部分に小さなキズが付けられていますが、これは不良品ではなくアウトレット製品の印として敢えてつけられているもので、使用には全く問題ありません。
参考)https://www.travel.co.jp/guide/article/43925/
店内には、美しい絵柄のボーンチャイナや、シギリヤレディなどスリランカならではのデザインが施された食器も並んでいます。特に人気なのが、象の形をした陶器にセイロンティーが入った商品で、お茶を飲んだ後はソルト&ペッパー入れとして使える実用性も兼ね備えています。スリランカで購入したスパイスを、美しいノリタケの食器に盛り付けて楽しむという、この地域ならではの贅沢な体験ができるのです。
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スパイスガーデン見学の最後には、スパイスやアーユルヴェーダ製品を購入できるショップへ案内されます。カレーに合うスパイスの詰め合わせや、美容効果のある薬品が主に揃っています。木箱デザインの可愛い詰め合わせは、お土産にも最適です。
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ただし、購入は完全に任意で強制ではありません。ガイドからも「買わなくても大丈夫」と説明があり、買わずに出ても問題ありません。一方で、満足したらチップを渡すと喜ばれます。価格は1,000~3,000円程度と観光地価格ですが、質が良く実用的なため「買ってよかった」と感じる人も多いようです。
参考)https://ameblo.jp/yamikomon/entry-12426740913.html
スパイスの中でも特におすすめなのが、シナモンとターメリックです。料理用として日常的に使えるだけでなく、咳止めシロップなどの薬用製品も人気があります。また、アロエベラクリームやサンダルウッドオイルなどのアーユルヴェーダ製品も、美容に関心のある方には見逃せないアイテムです。スタッフによると、街のスーパーで出回っている製品は純度が低かったり偽物だったりすることもあり、ここで購入する方が安心とのことですが、その真偽は各自で判断する必要があります。
参考)https://www.tripadvisor.jp/ShowUserReviews-g1865780-d1899660-r531949058-Ranweli_Spice_Garden-Matale_Central_Province.html
多くのスパイスガーデンには、併設のレストランがあり、本格的なスリランカ料理のブッフェを楽しむことができます。スパイスガーデンから通りを挟んだ反対側に位置するレストランもあり、緑豊かな開放的な空間で食事ができます。
参考)https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g1865780-d10701049-Reviews-Ranweli_Restaurant-Matale_Central_Province.html
メニューには、様々な種類のカレーをはじめ、スープ、サラダ、魚のグリルなど、スパイスをふんだんに使った料理が並びます。中には「旅行中で一番おいしかった」と絶賛する旅行者もいるほど、本格的で美味しいカレーが提供されています。料理には、園内で栽培されているスパイスが実際に使用されており、見学で学んだスパイスの香りや味を実際に確かめることができる貴重な機会です。
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レストランでは、アボカドジュースなどのトロピカルドリンクも楽しめます。スパイスガーデンでスパイスの知識を深めた後に、その知識を活かして料理を味わうという、学びと食の一体験ができるのがこのレストランの魅力です。一部のツアーでは料理教室やデモンストレーションも含まれており、スパイスを使った料理法を直接学ぶこともできます。地元の人から学ぶスリランカの家庭料理は、旅の思い出に残る特別な体験となるでしょう。
参考)Instagram
マータレーへのアクセスは、キャンディからダンブッラ行きのバスで約1時間です。公共バスでも訪問可能ですが、効率と安全面を考慮するとタクシーチャーターがおすすめです。ドライバーに任せれば時間の節約になり、他の観光地との組み合わせも楽にできます。実際、多くの旅行者はシギリヤロックからキャンディへ向かう途中に立ち寄っています。車で1時間ちょっとの距離で、ちょうど休憩にも最適な場所です。
参考)https://www.oricon.co.jp/article/1202052/
マータレー周辺には、スパイスガーデンとノリタケアウトレット以外にも見どころがあります。世界遺産のダンブッラ石窟寺院やシギリヤロック、古都キャンディの仏歯寺など、スリランカを代表する観光スポットが近隣に集まっています。1日で複数の観光地を巡る効率的なルートを組むことができ、スパイスガーデンはその中継地点として理想的な位置にあります。
参考)『キャンディへの途上立ち寄った「スパイスガーデン」& 世界遺…
訪問時の注意点として、スパイスガーデンは「観光客向けの演出」がある場所であることを理解しておくと良いでしょう。商品の販売が目的の商業施設でもありますが、それを理解した上で訪れれば期待以上に楽しめるはずです。芳醇なスパイスの香りに包まれながら、スリランカの文化と知恵に触れ、さらに近隣のノリタケアウトレットで美しい食器を手に入れる—この一連の体験が、マータレーならではの魅力なのです。陶器や食器に興味がある方にとって、スパイスと食器の両方を満喫できるこのエリアは、まさに理想的な観光スポットと言えるでしょう。