南部鉄器フライパンで料理を美味しく鉄分補給

南部鉄器のフライパンは焦げ付きにくく丈夫で、料理の美味しさを格段に引き上げます。使い始めのお手入れから選び方、毎日の料理での活用法まで徹底解説。あなたも南部鉄器フライパンを使ってみませんか?

南部鉄器フライパンの特徴と魅力

南部鉄器フライパンが選ばれる理由
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高い熱伝導性と蓄熱性

食材に素早く熱を伝え、均一に加熱。パリッとした焼き目と香ばしさが際立ちます

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自然な鉄分補給効果

調理中に体に吸収されやすい二価鉄が溶出。貧血予防に効果的です

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一生使える耐久性

適切なお手入れで何十年も使用可能。使い込むほど油が馴染み育っていきます

南部鉄器のフライパンは、岩手県盛岡市周辺で作られる伝統工芸品です。江戸時代に南部藩の藩主が職人に湯釜を作らせたのが起源とされ、万国博覧会でその品質の高さが認められ、国から伝統工芸品第一号として認定されました。南部鉄器フライパンの最大の特徴は、厚みがある重厚な作りにより熱をじっくり蓄え、料理の味を引き立てる特性があることです。
参考)南部鉄器フライパンのおすすめ15選。シンプルでおしゃれな製品…

鉄製のフライパンは熱伝導率が高く、食材に素早く熱を伝えることができるため、本格的な食感の炒め物が作れます。また、香り高く表面はパリッとした焼き目をつけることができ、何気ない料理でさえワンランク上の仕上がりになります。テフロン加工のフライパンと比べると、鉄製フライパンは「油分」「水分」を吸収しやすいので、鍋肌になじんで食材の余分な「油分」「水分」を吸収してくれます。そのため火は入っているがパリッとしたおいしい食感に仕上がるのです。
参考)リバーライト

保温性が高いのも南部鉄器の大きな魅力です。鉄は一度熱すると冷めにくく、保温性が高いのが特徴で、厚みのある南部鉄器は特にたくさんの熱を蓄えます。さらに調理の際に、体に吸収されやすい二価鉄を多く含んだ鉄分が溶出するため、自然に鉄分補給できるのも魅力です。野菜炒めを作った際には通常の3倍の鉄分が摂取できるという調査結果もあります。
参考)【決定版】シンプルでモダンな南部鉄器フライパンのおすすめ人気…

耐久性の高さも見逃せません。テフロン・フッ素樹脂加工とは異なり、樹脂が剥がれることもなく、正しく使えば一生物になるともいわれています。使えば使うほど油がなじみ、調理しやすくなっていき、自らの手で愛情をかけながら長く使い続けられるのも南部鉄器フライパンが人気となっている理由の一つです。
参考)南部鉄器のフライパンおすすめ15選!軽いフライパンや岩鋳・柳…

南部鉄器フライパンの使い始めに必要なシーズニング

 

南部鉄器フライパンを使い始める前には「シーズニング」と呼ばれる油ならしが必要です。シーズニングとは、鉄フライパンの使用前後に行う「油ならし」のことで、乾燥という意味もあり、鉄フライパンを乾燥させて手入れすることからこのように呼ばれるようになったといわれています。これは鍋・フライパンの表面に油の膜を作り、焦げ付きやサビを防ぐ方法です。
参考)https://tsumugiya.jp/?mode=f13

シーズニングは焦げつきやサビを防止するために行います。特に料理の際に焦げついてしまうと、上手く料理ができないだけでなく、後片付けの手間も増えてしまいます。このため、表面の塗装やサビ止めワックスの除去をし、新しい油でコーティングするのです。さらに鉄特有の匂いが食べ物に移るのを防ぐ効果もあります。
参考)鉄フライパンのシーズニングとは|やる意味や効果を解説します

シーズニングに必要な道具は、カセットコンロ、スポンジやタワシ、食器用洗剤、キッチンペーパー、乾性油(サラダ油)、菜箸やトング、くず野菜などです。ガスコンロではなくカセットコンロを使う理由は、鉄フライパンの空焼きを行うためで、ガスコンロは安全装置がついている場合、空焼きを行うと火が弱くなったり消えたりすることがあるためです。​
具体的な手順は次の通りです。まず鉄フライパンを中火にかけて全体を熱し(空焼き)、煙が出てきたら強火にします。鉄フライパンの真ん中あたりから徐々に全体が青色っぽく変色して、煙が出なくなったら火を消して粗熱をとります。粗熱がとれたら、スポンジ(タワシ)と食器用洗剤を使って洗い、キッチンペーパーで水分をしっかりふき取ります。​
次に乾性油(サラダ油)に浸したキッチンペーパーで、乾性油(サラダ油)を鉄フライパンの持ち手や裏面を含めた全体に塗り広げます。乾性油(サラダ油)が十分に馴染んだら、煙が出るまで強火で熱し、煙が出てきたら弱火にし、煙が出なくなるまで熱したら火を消して粗熱をとります。この作業を繰り返すことで、より焦げつきにくくなるだけでなく、長持ちさせることもできます。​

南部鉄器フライパンのサイズと重さの選び方

南部鉄器フライパンを選ぶ際には、サイズと重さが重要なポイントとなります。大は小を兼ねますがサイズアップすると重量が増すので、家族の人数やよく使うメインのシーンに合わせて選ぶとよいでしょう。一人暮らしやお弁当の調理に使うなら18cm~20cm、初めての鉄フライパンや毎日の調理で出番の多いサイズは20cm~24cm、家族分の調理が一度で作れる26cm~がおすすめです。
参考)鉄を愛するスタッフおすすめ! 鉄フライパン5選

重たいフライパンはあおる調理などには扱いづらくなります。南部鉄器フライパンは加工フライパンと比べて重量感があり、板厚とも関係性が深く、厚みが増すと重さも比例して増えていきます。さらに板厚の違いによって得意な調理法も変わり、炒飯や炒め物などさっとあおる料理には板厚の薄い1.2mmや1.6mm、ステーキや餃子などじっくり焼いて焦げ目をつけるような料理には蓄熱性が高くムラなく焼ける2.3mm、3.2mmがおすすめです。​
毎日のように使う場合は、重さがストレスにならないように自分の暮らしに合う容量・サイズを選びましょう。目安としては、一人暮らしなら1L程度、家族がいる場合や料理に使う場合はもう少し大きめのサイズが適しています。南部鉄器は厚みがあり重厚な作りとなっているため、実際に持ってみて重さを確認することが重要です。
参考)Fe:FRAME OIKAWA TEKKO

対応熱源も選ぶ際のポイントです。鉄フライパンの中にはガス火専用のものがあり、ご自宅の熱源がIHの場合はIH対応の鉄フライパンを選ぶ必要があります。南部鉄器フライパンは基本的にガスとIH両方に対応していますが、購入前に対応熱源を確認することをおすすめします。​

南部鉄器フライパンで作る料理のコツと焼き目の美しさ

南部鉄器フライパンで料理を作る際には、いくつかのコツがあります。まず、よく温めてから使うことが重要です。加熱が不足していると食材がこびりつく原因となるので、食材を入れる前の何も入れていない状態の時にしっかり中心まで加熱しましょう。
参考)鉄フライパンの使い方・お手入れ方法

油を多めに使うことも大切です。使い始めは特に油がなじんでいないため焦げ付きの原因にもなりますので、少し多めの油で調理し徐々に慣らしていきましょう。また、調理の前に「油返し」を行うことで、焦げ付きにくく調理することができます。油返しとは、中火で加熱し、多めの油(大さじ3程度)を入れ、弱火で3分程度加熱し十分に油をなじませ、その後余分な油をオイルポット等に戻す作業のことです。​
南部鉄器フライパンで焼いた料理は、美しい焼き目が特徴です。パンケーキなど、きれいに焼き目を付けたい料理に最適で、香り高く表面はパリッとした焼き目をつけることができます。鉄は食材に素早く熱を伝えることができるので、本格的な食感の炒め物が作れ、何気ない料理でさえワンランク上の仕上がりになります。
参考)https://www.cotogoto.jp/category/250.html

料理が出来上がったらすぐに食材を取り出しましょう。食材を入れっぱなしにすると焦げ付きの原因となるので、フライパンの中に放置せずに早めにお皿等に盛り付けることが大切です。南部鉄器フライパンは27cmの大きめサイズを使えば、餃子を一気に30個焼くこともでき、鉄鋳物は温度が下がりにくいため一気につくってもそのまま保温しておくことができます。
参考)鉄フライパンで絶品餃子|レシピと道具で紡ぐ暮らしのメディア‐…

南部鉄器フライパンの洗い方とお手入れ方法

南部鉄器フライパンの使用後のお手入れは、長く使うために非常に重要です。調理後はなるべく早くお湯で洗ってください。たわしやササラと呼ばれるもので汚れをかきおとします。育ててきた"油膜"を残して汚れだけを落とすことが大切なので、基本的には食器用洗剤は使用しないようにしましょう。
参考)【一生ものを使おう】鉄フライパンを長く使うためのコツと保管方…

洗った後は火にかけて水分をしっかり飛ばして乾かし、薄く油を塗って保管します。この時水分が付着したまま放置しておくとサビてしまうので、必ず水気を完全に飛ばすようにしてください。その後は、キッチンペーパーなどを使って内側に油を刷り込むようにして薄く塗っていきます。​
フライパンが冷める前に、ぬるま湯を使って汚れを落とします。洗剤を使わず、たわしやスポンジで優しくこすりましょう。焦げ付きがある場合は、軽度ならお湯に浸してスポンジでこする、中度ならお湯を張り弱火で5分加熱し木べらでこする、重度なら水と重曹を入れて煮立たせこびりつきを浮かせるという対応が効果的です。
参考)Fe:FRAME OIKAWA TEKKO

洗浄後は乾いた布巾やキッチンペーパーでしっかり水分を拭き取ります。フライパンが冷めたら薄く油を塗り、酸化や錆びを防ぎます。使っていくうちに油膜が定着していくので、永遠に油返しをしなくてはいけないわけではありません。鉄フライパンは水分と酸素に弱くすぐにサビてしまうため、洗い終わったらなるべく早いうちに加熱し水分をとばして乾燥させることが重要です。
参考)鉄フライパンにおすすめの洗い方と4つのポイントを解説【金たわ…

南部鉄器フライパンの人気メーカー岩鋳・及源・柳宗理の特徴

南部鉄器フライパンには複数の人気メーカーがあり、それぞれに特徴があります。代表的なメーカーとして岩鋳、及源、柳宗理の3つが挙げられます。
参考)さまざまな料理に。熱を均等に伝える南部鉄器のフライパン - …

岩鋳は明治35年創業の老舗メーカーで、南部鉄器の伝統を守りながら現代の暮らしに合った製品づくりに取り組んでいます。岩鋳のフライパンはシンプルかつ計算された使いやすいデザインが魅力で、見た目にも実用性にもこだわりたい方におすすめです。熱源はガスはもちろん、IHにも対応しており、調理の際に体に吸収されやすい二化鉄を多く含んだ鉄分が溶出するため鉄分補給できるのも魅力です。24cmサイズで重さは約2.2kgとなっています。​
及源鋳造は1852年創業の老舗メーカーで、150年以上の歴史を持ちます。及源のフライパンはIHにも対応し、熱をムラなく伝える南部鉄器フライパンとして人気があります。ミニフライパンは15cmサイズで重さ1.2kg、フライパン20cmもラインナップされており、用途に応じて選べます。
参考)南部鉄器のフライパンのおすすめ人気ランキング【2025年】

柳宗理は人気デザイナーによる南部鉄器製品を手掛けています。柳宗理の南部鉄器ミニパンは16cmの小さいサイズの肉厚フライパンで、料理の幅を広げるステンレスのフタ付きです。そのまま調理してテーブルへ出すこともでき、少量作りたい時や朝のお弁当などに最適です。シンプルでモダンな美しいフォルムが魅力のフライパンとして評価されています。
参考)http://www.kodawariyasan.com/souri/souri_nanbu_top.htm

OIGENの鉄鍋・鉄フライパン使いはじめの油慣らし方法
及源(OIGEN)の公式サイトでは、鉄フライパンの使い始めに必要な油慣らしの詳しい手順が解説されています。初めて南部鉄器フライパンを使う方におすすめの参考資料です。

 

岩鉄鉄器のフライパンを使用する前の準備方法
岩鋳(岩鉄鉄器)の公式サイトでは、フライパンのシーズニング方法が写真付きで詳しく紹介されています。正しいお手入れ方法を知りたい方に役立つ情報です。