マイセンの「ブルーオーキッド」は、1977年から1978年にかけて誕生した比較的新しいシリーズです。ドイツの名窯マイセンは1710年に創業し、ヨーロッパで初めて硬質磁器の製造に成功した歴史ある窯元として知られています。その長い歴史の中で生まれたブルーオーキッドは、現代マイセンを代表する名作として高い評価を受けています。
ブルーオーキッドの誕生には、現代マイセン最高のアーティストと称されるハインツ・ヴェルナー教授の存在が欠かせません。絵付けを担当したヴェルナー教授は親日家としても知られ、東洋の美意識を西洋の技術で表現することに成功しました。また、器の形状(フォーム)はトップアーティストのルードヴィッヒ・ツェプナーが手がけています。
このシリーズの特徴は、白磁に映えるコバルトブルーの濃淡で描かれた蘭の花と梅の木。東洋的な雰囲気を持ちながらも、西洋の繊細な技術で表現された芸術性の高さが魅力です。特に濃淡のぼかし技法は非常に困難な絵付けとされ、マイセンの職人技の真髄を感じることができます。
ブルーオーキッドの最大の魅力は、コバルトブルーの濃淡で描かれた蘭の花の美しさです。まるで絵画のように大胆かつ繊細に描かれた花々は、見る者を魅了します。この絵付けには「染付(そめつけ)」と呼ばれる技法が用いられており、素焼き後の吸水性の高い生地に直接絵付けをするため、修正が効かず高度な技術を要します。
器の形状にも特徴があります。「グローサー・アウスシュニット」と呼ばれる花びらのようなレリーフ(浮き彫り模様)が施されたエレガントなフォルムは、ブルーオーキッドの絵柄をいっそう引き立てています。このシェイプは「オーキッドシェイプ」とも呼ばれ、今やマイセンに欠かせない重要なデザインとなっています。
ブルーオーキッドの魅力は、日本の食卓にも馴染みやすい点にもあります。東洋と西洋の美が融合したデザインは、和食器との相性も良く、日本料理を盛り付けても違和感がありません。そのため、日本市場でも人気の高いシリーズとなっています。
「マイセン ブルーオーキッドは廃盤なのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。結論から言えば、ブルーオーキッドは完全な廃盤ではなく、一部のアイテムは現在も製造・販売されています。しかし、シリーズ全体としては生産数が限られており、特定のアイテムはすでに製造が終了しているものもあります。
現在入手可能なアイテムとしては、ティーカップ&ソーサー、プレート、ポットなどの基本的なテーブルウェアがあります。マイセン公式オンラインショップや正規販売店で購入することができますが、在庫状況は常に変動しているため、欲しいアイテムを見つけたらすぐに購入することをおすすめします。
廃盤となったアイテムや希少なピースを入手したい場合は、以下の方法があります。
なお、中古市場でブルーオーキッドを購入する際は、偽物に注意が必要です。マイセンの真贋を見分けるポイントとして、バックスタンプ(底面の刻印)の「青い双剣マーク」の確認が重要です。
ブルーオーキッドシリーズには様々なアイテムがありますが、特に人気が高いのは以下の商品です。
価格相場は状態や付属品の有無によって大きく変動します。特に注目すべき点として、マイセン食器は中古でも値段が下がりにくく、他の食器ブランドに比べて再販価値が高いことが挙げられます。使用感が少なく美品であれば、新品の7割程度の価格で取引されることもあります。
一方で、小傷や汚れがある使用感の強いものでも、カップ&ソーサー1客で5,500円前後の買取相場があり、マイセンの人気と価値の高さがうかがえます。
マイセンには数多くの人気シリーズがありますが、ブルーオーキッドと比較してみましょう。
シリーズ名 | 誕生年 | 特徴 | 価格帯 | 日本での人気 |
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ブルーオーキッド | 1977年頃 | コバルトブルーの蘭の花、東洋と西洋の融合 | 高価格帯 | ★★★★★ |
ブルーオニオン | 1739年 | 中国の染付技法を活かした伝統柄 | 中〜高価格帯 | ★★★★☆ |
波の戯れホワイト | 現代 | シンプルな白磁に波模様のレリーフ | 中価格帯 | ★★★☆☆ |
ホワイトローズ | - | 白い薔薇のレリーフが特徴 | 中価格帯 | ★★★☆☆ |
マイセンの最も有名なシリーズと言えば「ブルーオニオン」でしょう。1739年に誕生した伝統的なデザインで、タマネギに見えることから名付けられましたが、実際にはザクロや桃などの吉祥文様がモチーフになっています。ブルーオニオンに比べ、ブルーオーキッドは現代的で芸術性が高く、日本人の美意識にも合うデザインとなっています。
「波の戯れホワイト」は、シンプルな白磁に波模様のレリーフが施された現代的なシリーズで、結婚式の引き出物などにも人気があります。ブルーオーキッドの華やかさとは対照的に、控えめな上品さが特徴です。
ブルーオーキッドの魅力は、他のシリーズにはない芸術性の高さと、日本人の美意識にも合う東洋的な雰囲気にあります。特に和食器との相性が良く、日本の食卓にも自然に馴染むことから、日本市場では特に高い評価を得ています。
ブルーオーキッドは芸術性の高さから、単なる食器としてだけでなくコレクションアイテムとしても高い価値を持っています。特に、デザイナーであるハインツ・ヴェルナー教授の作品は、マイセンの中でも特別な位置づけにあり、将来的な価値の上昇も期待できます。
コレクションとして長く楽しむためには、適切な保管方法が重要です。以下に、マイセン ブルーオーキッドを美しく保つためのポイントをご紹介します。
適切に保管・使用することで、ブルーオーキッドの美しさは何十年も保たれます。実際、マイセンの食器は世代を超えて受け継がれることも多く、家族の大切な財産となることもあります。
また、コレクションとしての価値を高めるためには、関連アイテムをそろえることも一つの方法です。ティーカップ&ソーサーだけでなく、プレート、ポット、シュガーポット、クリーマーなどをセットで揃えると、より魅力的なコレクションとなります。
マイセン ブルーオーキッドは、使う喜びと所有する喜びを兼ね備えた、まさに「使える芸術品」と言えるでしょう。廃盤や生産数の制限により、今後さらに希少価値が高まる可能性もあります。美しい食器に囲まれた豊かな食卓を楽しみながら、資産価値も期待できる—それがマイセン ブルーオーキッドの魅力なのです。