マイセンの偽物を見分ける最も重要なポイントは、双剣マークの確認です。1722年以降に製造されたマイセンには、必ず手描きの双剣マークが施されています。このマークがない製品は、まず間違いなく偽物と判断できます。
本物の双剣マークには以下の特徴があります。
偽物によく見られる特徴として、焼成後に上からマークを描いたものや、明らかにプリントされたマーク、「双剣マーク風」の似て非なるマークが挙げられます。
特に注意すべきは、横文字で「MEISSEN」と書かれたマークです。円や四角で囲まれて「MEISSEN」と表記された商品は、マイセンには存在しないため明確な偽物の証拠となります。
バックスタンプの詳細な観察は、マイセンの真贋を判定する上で欠かせません。本物のマイセンのバックスタンプには、以下の特徴があります。
正規品の特徴
偽物の特徴
近年の中国製偽物は、本物のロゴマークも上手く偽造している場合があります。そのため、マーク単体での判定だけでなく、全体的な作りの質や他の要素との総合的な判断が重要です。
絵柄の番号やペインター番号も重要な判定材料です。現在の絵付されているマイセンは、絵柄の番号やペインター番号が朱色で書かれています。基本的には朱色ですが、シリーズや限定品によってはブルーや白、金彩で書かれている場合もあります。
マイセンの偽物は、デザインや形状に多くの問題を抱えています。本物のマイセンを知ることで、偽物を効果的に見分けることができます。
形状による見分け方
マイセンの各シリーズには、統一された形状があります。例えば「インドの華」のカップ&ソーサーで、本物には存在しないカップの形だった場合、それは偽物の可能性が高くなります。
人気シリーズの偽物パターン
絵柄の品質チェックポイント
偽物の多くは、明らかにプリントのような絵柄であったり、接合部分が雑だったり、絵柄全体がずれている特徴があります。本物のマイセンは、何年もの修業を積んだ熟練職人による手作業で作られているため、細部まで美しく仕上げられています。
マイセンには品質に応じて1級品、2級品、級外品の区分があり、これらの見分け方を知ることで偽物対策にもなります。
1級品の特徴
2級品の特徴
級外品の特徴
偽装された2級品に注意
悪質な業者によって、2級品の切り込み線を削って1級品に見せかけた商品が流通している場合があります。作品が古い場合、マイセンマーク等が微妙にへこんでいたり、凹んだ部分が変色している場合は2級品である可能性が高くなります。
これらの級品システムは、マイセンの工場が稼働して間もない頃の職人が、マイセンの陶器を自宅に持ち帰り売りさばいたものを区別するために導入されました。元は同じ窯元の商品のため、完全な偽物とは異なります。
マイセンを安全に購入するためには、価格や販売環境への注意も重要です。
価格による判断
17世紀のアンティークマイセンが、たいした傷もないのに異常な低価格で販売されている場合は要注意です。異常な低価格には、それなりの理由があると考えるべきです。
オンライン購入時の注意点
「since...」刻印は偽物の証拠
最近のマイセンにはブランド名も描かれていますが、「since...」の刻印があれば確実に偽物です。この刻印は正規のマイセンには一切存在しません。
実物確認の重要性
可能な限り実物を手に取って確認することが重要です。表面の質感、重量感、細部の仕上がりなど、写真では分からない部分が多くあります。
専門家への相談
プロの鑑定士でも見分けがつかない場合があるほど、近年の偽物は精巧になっています。高額な購入を検討する際は、専門家への相談や鑑定を受けることをお勧めします。
インターネットで本物の画像と比較することも有効な手段です。様々な角度の画像を比較検討し、疑問点があれば購入を控える慎重さも必要です。
マイセンの偽物対策は、知識と経験の蓄積が最も重要です。多くの本物のマイセンを見て目を鍛え、疑いの目を持って商品を観察する習慣を身につけることが、確実な真贋判定への近道となります。