ウェッジウッドb級品見分け方:刻印とスクラッチ確認法

ウェッジウッドのb級品を正確に見分けるには、バックスタンプの刻印とスクラッチの確認が重要です。本物と偽物の違いや時代別の特徴を知って、適正な価値判断ができるでしょうか?

ウェッジウッドb級品見分け方

ウェッジウッドb級品識別の重要ポイント
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バックスタンプの確認

裏面の刻印でグレードと製造時期を判断

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スクラッチの識別

針先の傷やG2マークで2級品を見分ける

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品質と価値の理解

機能性は変わらず価格差を活用した購入

ウェッジウッドb級品バックスタンプの確認方法

ウェッジウッドのb級品を見分ける最も確実な方法は、製品裏面のバックスタンプを詳細に確認することです。正規品には必ず「WEDGWOOD」の文字が刻印されており、この刻印の状態でグレードを判断できます。

 

バックスタンプの基本的な確認ポイントは以下の通りです。

  • 文字の鮮明さ:正規品は文字がくっきりと刻印されている
  • スペルの正確性:「WEDGWOOD」に誤字がないか確認
  • 付随する文字情報:「MADE IN ENGLAND」は1891年以降の製品に表示
  • 登録商標マーク:「®」は1974年以降の製品に記載される

特に重要なのは、製造時期による刻印の変化を理解することです。初期の18世紀後半の刻印は手書き風やシンプルな大文字「WEDGWOOD」のみでしたが、19世紀以降は「ETRURIA」「ENGLAND」などの国名が追加されるようになりました。1970年代以降はポートランドの壺や「W」の中に壺が入るシンボルマークが登場しています。

 

刻印の技法も時代により異なり、型押し(インタグリオ)は18〜19世紀の高級品に多く見られ、プリントマークは20世紀以降の量産品に使用されています。手描きマークは一部職人作品や初期作品に見られる貴重なものです。

 

ウェッジウッドb級品スクラッチとグレード識別

ウェッジウッド社では品質管理の一環として、厳しい検品で規格外とされた製品のバックスタンプに意図的にスクラッチ(傷)を入れます。これがb級品、正式には「グレードⅡ」の識別マークとなります。

 

従来のスクラッチ識別方法。

  • 針先の傷:バックスタンプに針で引っかいたような細い線が入っている
  • 傷の本数:通常は1〜2本の線状の傷が確認できる
  • 傷の位置:文字の上または周辺に意図的に付けられている

最近の識別方法の変化。
最近はバックスタンプに直接傷を付けず、周辺に一見するとまったく見えないものの、角度を変えると「G2(グレードⅡ)」のスタンプが浮かび上がるような特殊な加工が施されています。これは従来の傷による識別方法よりも洗練された手法で、製品の美観を損なわずにグレード識別を可能にしています。

 

b級品に分類される理由。

  • 色飛び絵付けの色にムラがある状態
  • 微細な傷:製造過程で生じた小さな傷
  • デザインのズレ:パターンの位置が微妙にずれている
  • 黒点:焼成時に生じた小さな汚れや点

これらの不備は欠けやヒビではなく、機能には全く影響しない程度の微細なものです。実際、専門家でも製品のどこが規格外なのかわからないことが多く、「1級品」と「2級品」の違いがわかるのは、その作品を作った職人だけと言われることもあります。

 

ウェッジウッドb級品と偽物の違いと注意点

ウェッジウッドのb級品と偽物は全く別物であり、混同しないよう注意が必要です。b級品は正規のウェッジウッド社製品であり、偽物は全く別の製造元による模倣品です。

 

正規b級品の特徴。

  • 高品質な素材:正規品と同じ高品質な陶磁器を使用
  • 滑らかな仕上がり:表面は均一で滑らかな質感
  • 正確な刻印:「WEDGWOOD」の文字に誤字がない
  • 適切なスクラッチ:工場での正式な品質管理による印

偽物の見分け方。

  • 粗悪な素材:表面がザラザラしている、塗装が不均一
  • 不鮮明な刻印:文字がぼやけている、スペルミスがある
  • 質感の違い:本物より軽い、または重すぎる
  • 価格の異常さ:相場よりも極端に安い

特にワイルドストロベリーシリーズは人気が高く、偽物が多く出回っています。購入時は以下の点を確認してください。

  • 販売者の信頼性:正規販売店や信頼できる古物商
  • 製品証明書:可能であれば正規品の証明書があるか
  • 詳細な商品写真:バックスタンプが鮮明に写っているか

オンラインやセカンドハンド市場での購入時は、商品説明をしっかりと確認し、どのような理由でb級品とされているのかを理解することが重要です。

 

ウェッジウッドb級品時代別刻印の特徴解説

ウェッジウッドの刻印は時代とともに変化しており、製造年代を正確に把握することでb級品の価値を適切に判断できます。

 

18世紀後半(1759年〜)

  • 初期の刻印は「Wedgwood」の文字のみ
  • 手書き風やシンプルな大文字で表記
  • 型押し(インタグリオ)技法を使用
  • この時代のb級品は希少価値が高い

19世紀(1800年代)

  • 「ETRURIA」の文字が追加される
  • 製造場所を示す「ENGLAND」が登場
  • より精密な刻印技術の発達
  • 産業革命期の量産体制確立

20世紀前半(1891年〜1970年代)

  • 「MADE IN ENGLAND」が標準表記となる
  • 国際流通に対応した表示
  • プリントマーク技法の導入
  • シリーズ名の併記開始

1970年代以降

  • ポートランドの壺マークが登場
  • 「®(登録商標)」マークの追加
  • 「W」の中に壺が入るシンボルマーク
  • より洗練されたデザインの刻印

現代(2000年代以降)

  • 「BONE CHINA」の材質表示
  • シリーズ名(例:WILD STRAWBERRY)の明記
  • バーコードや製造番号の併記
  • 環境配慮の表示追加

時代別の価値判断。
古い時代の刻印を持つb級品ほど希少価値が高く、コレクターからの需要も大きくなります。特に18〜19世紀の手作業による刻印を持つ製品は、たとえb級品であっても高い価値を持つ場合があります。

 

ウェッジウッドb級品購入時の価値判断基準

ウェッジウッドのb級品を購入する際の価値判断は、単純な価格比較だけでは十分ではありません。以下の独自の評価基準を参考に、適切な判断を行いましょう。

 

実用性重視の価値判断
b級品の最大のメリットは、正規1級品と同等の機能性を持ちながら価格が抑えられることです。日常使いを前提とする場合。

  • コストパフォーマンス:1級品の60-80%程度の価格が適正
  • 使用頻度:頻繁に使用する食器なら傷の心配が少ないb級品が実用的
  • セット購入:まとめ買いする場合の総額の節約効果

コレクション価値の評価
アンティーク市場では、b級品でも以下の条件を満たすものは高い価値を持ちます。

  • 製造年代:1950年以前の製品は希少性が高い
  • 廃盤シリーズ:現在製造されていないデザイン
  • 限定品:特別な記念品や限定生産品
  • 職人の署名:手描きマークや職人の印がある製品

投資価値の見極め
ウェッジウッドのb級品を投資目的で購入する場合の判断基準。

  • 市場トレンド:特定シリーズの人気動向
  • 保存状態:将来的な価値維持のための状態
  • 証明書の有無:正規品証明や鑑定書の存在
  • セット完整性:欠品のないフルセットかどうか

独自の評価ポイント
一般的に知られていない価値判断の要素。

  • 製造工場の違い:イギリス本国製と他国製の価値差
  • バックスタンプの希少性:特定時期の限定的な刻印デザイン
  • 修復歴の有無:過去の修理や補修の痕跡
  • 付属品の完備:オリジナルの箱や説明書の存在

これらの基準を総合的に判断することで、ウェッジウッドb級品の真の価値を見極め、満足度の高い購入が可能になります。特に、将来的な価値上昇を期待する場合は、単純な価格の安さだけでなく、長期的な市場価値の推移を考慮することが重要です。

 

ウェッジウッドの公式サイトでは製品の詳細情報や真贋判定のガイドラインを確認できます。

 

https://www.wedgwood.jp/