ウェッジウッドのb級品を見分ける最も確実な方法は、製品裏面のバックスタンプを詳細に確認することです。正規品には必ず「WEDGWOOD」の文字が刻印されており、この刻印の状態でグレードを判断できます。
バックスタンプの基本的な確認ポイントは以下の通りです。
特に重要なのは、製造時期による刻印の変化を理解することです。初期の18世紀後半の刻印は手書き風やシンプルな大文字「WEDGWOOD」のみでしたが、19世紀以降は「ETRURIA」「ENGLAND」などの国名が追加されるようになりました。1970年代以降はポートランドの壺や「W」の中に壺が入るシンボルマークが登場しています。
刻印の技法も時代により異なり、型押し(インタグリオ)は18〜19世紀の高級品に多く見られ、プリントマークは20世紀以降の量産品に使用されています。手描きマークは一部職人作品や初期作品に見られる貴重なものです。
ウェッジウッド社では品質管理の一環として、厳しい検品で規格外とされた製品のバックスタンプに意図的にスクラッチ(傷)を入れます。これがb級品、正式には「グレードⅡ」の識別マークとなります。
従来のスクラッチ識別方法。
最近の識別方法の変化。
最近はバックスタンプに直接傷を付けず、周辺に一見するとまったく見えないものの、角度を変えると「G2(グレードⅡ)」のスタンプが浮かび上がるような特殊な加工が施されています。これは従来の傷による識別方法よりも洗練された手法で、製品の美観を損なわずにグレード識別を可能にしています。
b級品に分類される理由。
これらの不備は欠けやヒビではなく、機能には全く影響しない程度の微細なものです。実際、専門家でも製品のどこが規格外なのかわからないことが多く、「1級品」と「2級品」の違いがわかるのは、その作品を作った職人だけと言われることもあります。
ウェッジウッドのb級品と偽物は全く別物であり、混同しないよう注意が必要です。b級品は正規のウェッジウッド社製品であり、偽物は全く別の製造元による模倣品です。
正規b級品の特徴。
偽物の見分け方。
特にワイルドストロベリーシリーズは人気が高く、偽物が多く出回っています。購入時は以下の点を確認してください。
オンラインやセカンドハンド市場での購入時は、商品説明をしっかりと確認し、どのような理由でb級品とされているのかを理解することが重要です。
ウェッジウッドの刻印は時代とともに変化しており、製造年代を正確に把握することでb級品の価値を適切に判断できます。
18世紀後半(1759年〜)
19世紀(1800年代)
20世紀前半(1891年〜1970年代)
1970年代以降
現代(2000年代以降)
時代別の価値判断。
古い時代の刻印を持つb級品ほど希少価値が高く、コレクターからの需要も大きくなります。特に18〜19世紀の手作業による刻印を持つ製品は、たとえb級品であっても高い価値を持つ場合があります。
ウェッジウッドのb級品を購入する際の価値判断は、単純な価格比較だけでは十分ではありません。以下の独自の評価基準を参考に、適切な判断を行いましょう。
実用性重視の価値判断
b級品の最大のメリットは、正規1級品と同等の機能性を持ちながら価格が抑えられることです。日常使いを前提とする場合。
コレクション価値の評価
アンティーク市場では、b級品でも以下の条件を満たすものは高い価値を持ちます。
投資価値の見極め
ウェッジウッドのb級品を投資目的で購入する場合の判断基準。
独自の評価ポイント
一般的に知られていない価値判断の要素。
これらの基準を総合的に判断することで、ウェッジウッドb級品の真の価値を見極め、満足度の高い購入が可能になります。特に、将来的な価値上昇を期待する場合は、単純な価格の安さだけでなく、長期的な市場価値の推移を考慮することが重要です。
ウェッジウッドの公式サイトでは製品の詳細情報や真贋判定のガイドラインを確認できます。