エインズレイの偽物を見分けるには、まず基本的なポイントを押さえることが重要です。エインズレイは1775年に設立された英国の名門食器ブランドで、長い歴史の中で培われた独特の品質基準があります。
偽物を見分ける最も確実な方法は以下の通りです。
特に注意すべきは、エインズレイの代表的なシリーズである「コテージガーデン」「オーチャードゴールド」「フォーチュンテリング」などの人気商品は、偽物が出回りやすい傾向があります。これらのシリーズを購入する際は、特に慎重な確認が必要です。
また、エインズレイの特徴的な要素として、カップの内側に描かれたデザインの精密さがあります。本物は紅茶を飲む瞬間の目線で一番絵柄が美しく見えるように制作されており、この細部への配慮が偽物との大きな違いとなって現れます。
エインズレイについて重要な事実として、2014年にイギリスのストークオントレント工場が閉鎖され、現在は中国での製造が中心となっていることが挙げられます。これにより、イギリス製と中国製の正規品が両方存在するという状況が生まれています。
イギリス製エインズレイの特徴:
中国製エインズレイの特徴:
重要なのは、中国製だからといって偽物ではないということです。現在の正規品エインズレイの多くは中国で製造されており、品質管理も厳格に行われています。
しかし、「Fine Bone China」という表記について誤解している人も多く見受けられます。これは中国製という意味ではなく、牛の骨灰を50%含んだ磁器であることを意味する品質表示です。
バックスタンプは、エインズレイの真贋判定において最も重要な要素の一つです。正規品のバックスタンプには、時代ごとに特徴的な変化があり、これを理解することで製造時期と真贋の両方を判断できます。
正規バックスタンプの確認ポイント:
バックスタンプの確認では、特に文字の深さと均一性に注目してください。本物のエインズレイは、刻印の深さが均一で、フォントも整っています。偽物の場合、各ブランドが定める表記ルールと違う表記をしていたり、文字の深さが均一でない、フォントが整っていないなどの特徴が現れます。
また、バックスタンプの位置も重要な判断材料です。正規品では、決められた位置に正確に印刷されており、傾きや位置のズレはほとんどありません。
時代別バックスタンプの特徴:
エインズレイの偽物を避けるためには、購入経路の選択が極めて重要です。信頼できる販売ルートを選ぶことで、偽物を購入するリスクを大幅に減らすことができます。
推奨される購入方法:
エインズレイ公式オンラインショップでは、現行品を確実に購入できます。また、全国のデパートや専門店でも正規品を取り扱っており、実際に手に取って確認できるメリットがあります。
避けるべき購入場所:
特にオンラインでの購入では、商品の詳細写真、特にバックスタンプの鮮明な画像が掲載されているかを確認してください。また、販売者の評価や過去の取引実績も重要な判断材料となります。
アンティーク市場では、プロの査定士による鑑定を受けた商品を選ぶことをお勧めします。確かな鑑定眼のない買取業者に依頼してしまうと、本物のブランド品を偽物と判断して安く買い叩かれてしまう可能性もあるため、実績と信頼性のある業者を選択することが重要です。
エインズレイのアンティーク食器の価値判断は、単純な真贋判定を超えた専門的な知識が必要になります。特に希少性の高いヴィンテージ品や限定品では、細かな違いが価値に大きく影響します。
価値判断の重要な要素:
特に注目すべきは、オーチャードゴールドシリーズです。このシリーズは惜しまれながらも製造が終了した作品でしたが、2018年に一部が復刻しました。復刻版と原版では価値が大きく異なるため、製造時期の正確な判定が重要になります。
コレクション価値の高いシリーズ:
これらのシリーズは、特にイギリス製の初期ロットや限定色が高い価値を持ちます。カラーバリエーションも価値に影響し、コテージガーデンでは6色(レッド、コバルト、イエロー、ピンク、ターコイズ、ミレニアムグリーン)、フォーチュンテリングでも6色展開されています。
価値判断においては、エインズレイの代表的なシェイプについても理解が必要です。オーバンシェイプ(180ml、口径9cm)とアセンズシェイプ(200ml、口径10.5cm)が現在の主力ですが、販売終了となったランカスターシェイプやモカシェイプは希少価値が高まっています。
専門的な価値判断を行う際は、「プロの査定士」の利用も検討してください。ウリエルなどの専門業者では、いわゆるSランクの偽物であっても見分けることができる査定士が在籍しており、正確な価値判定を受けることができます。
また、エインズレイを実際に使用している喫茶店や紅茶専門店での情報収集も有効です。カフェ シャンソン アコリット(東京都豊島区目白)やベリーズティールーム(東京都杉並区浜田山)などでは、実際にエインズレイのティーカップを使用しており、実物を確認する良い機会となります。